参加しているJAGESプロジェクトより、主としてGIS解析を担当した研究プロジェクトの論文が出版されました。
研究概要(JAGESプレスリリースより)
- 本研究は国内で初めて、地域環境と心臓病リスクの関連を調査しました。
- 愛知県知多半島の20小学校区に居住する65歳以上の住民3,810名を対象としました。
- 分析の結果、暮らしている地域が「安全でない」と感じる居住者の割合が多い地域では、男性の心臓病リスクが高いことが分かりました(心臓病リスクスコアが1.08点上昇)。
- また、「地域に運動に適した施設がある」と答えた居住者の割合が多い地域では、逆に、男性の心臓病リスクが低いことが分かりました(スコア1.00点減少)。
- これらの関係は、喫煙、飲酒など既知の心臓病リスク要因を考慮した上でも統計学的に有意でした。
- 女性ではこうした関連は認められませんでした。
- これまで心血管疾患の発症は、遺伝的要因や健康行動など個人の属性にその原因を求めることが多かったわけですが、本研究は「居住する地域がどのような環境か」ということも、心血管疾患のリスクになることを示しました。
- 健康なまちづくりをする上で、これから地域の要因に着目する必要があると考えられます。