本ラボでは、大手建設会社の竹中工務店さんとの共同研究「健康長寿社会を実現する未来の健康都市コンセプトの立案」を平成27年4月より開始しています。

chiba-university-and-takenaka

健康長寿社会の実現に貢献できるまちづくり・建物に必要な要素を明らかにし、千葉大学予防医学センター及び株式会社竹中工務店のリソース・ネットワークにより未来の健康都市のコンセプトを立案することを目的としています。

共同研究の一環で、医学系研究者を招き講演とディスカッションを通じて、都市や建物が果たすことができる役割や未来の健康都市のあり方を探る試み「ステークホルダー・コミュニケーション」を開催しました。(竹中工務店さんのウェブサイトにも情報が掲載されています。)

ステークホルダー・コミュニケーション(SC)

第1回SC「健康なまちづくりに向けて」

有識者:千葉大学予防医学センター 近藤克則教授

img16

  • 社会格差・健康格差・健康の社会的決定要因
  • ソーシャル・キャピタル
  • ハードとソフト (サービス)を両輪とした今後のまちづくりの必要性
  • 健康長寿をもたらすハード・ソフト面の評価・検証の重要性

第2回SC「健康影響評価:健康社会とまちづくりのための方法論」

有識者:産業医科大学医学部公衆衛生学 藤野善久准教授

img20

  • 健康影響評価 Health Impact Assessment
  • 実社会において健康に関わるエビデンスを獲得していくためには、医学と建築づくり・まちづくりとのさらなる連携が重要
  • まちづくりと健康の社会環境モデルの関係性
  • 『健康影響評価』をまち づくりのプロセスとして合意する重要性

第3回SC「運動とまちづくり・空間づくり」

有識者:筑波大学体育系高細精医療イノベーション研究コア 大藏倫博准教授

img26

  • 運動と健康長寿を目指したまちづくり
  • 運動に関する評価、肥満、介護予防(特に認知症予防)、サルコぺニアや睡眠など
  • 身体や行動に働きかけるデザインとは
  • 空間から運動に対するモチベーションを継続させるアプローチができうるのか

第4回SC「ライフコースアプローチによる健康長寿及び、まちや空間との関わりの可能性について」

有識者:国立成育医療研究センター研究所社会医学研究部 藤原武男部長

img30

  • ライフコースアプローチ
  • 子どもと親の距離感を空間の中でいかにデザインできるか
  • 親と子の関係性に社会環境が大きく影響する中で、社会参加・つながり等を生み出すソーシャルキャピタルをいかに各々のまちの課題に照らしてつくりあげていくか
  • 幼少期の住環境など物理的環境がライフコースに及ぶす影響について

第5回SC「心の健康と空間からのアプローチについて」

有識者:東京大学大学院医学系研究科公共健康医学精神保健学分野 島津明人准教授

img33

  • ワーク・エンゲイジメント
  • ワーク・エンゲイジメントを高めるために、空間デザインからの働きかけと、ジョブ・クラフティングなどのプログラムを空間環境から支援する視点がある
  • ワーク・エンゲイジメントやワークプレイス、更には健康増進といったことが経営や経済的にどのように好影響を及ぼすかを定量的に示すことが重要

未来の健康都市コンセプトの立案

現在、上記のSCで得られた観点や示唆をふまえて未来の健康都市コンセプトを立案しています。

シンポジウムの開催

立案した未来の健康都市コンセプトを広く社会に発信するシンポジウムを6/14に開催します。詳細はこちら