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 犯罪が多い地域、犯罪不安が高い地域では、住民の身体活動が低いことが知られています*¹。CPTED(→コラム)の手法を応用するなどして、犯罪や犯罪不安が起こりにくいまちづくりが求められます。
 そうしたまちづくりに当たっては、ハードの環境改善とソフトの防犯活動が車の両輪となる必要があります。また、住民が主体となって地域特性に応じた対策を進めることでソーシャル・キャピタルの向上も期待されます。

再整備により安全性が向上した警固公園(福岡市)
安全・安心と景観の両立を目指す夜間照明(習志野市奏の杜)
防犯活動の拠点「ろくまる」(足立区)

コラム

CPTED(防犯環境設計)とは?
 CPTED(セプテッド)は1970年代に米国で提唱された、環境を犯罪発生の要因とする考え方のひとつ。日本では防犯環境設計として知られ、自然監視性の確保(人の目を増やす)、領域性の強化(コミュニティ意識を向上させる)、接近の制御(犯罪企図者の侵入を妨げる)、被害対象の強化・回避が4原則とされる。海外では空間の維持・管理も重視される。
→「20 まちの美化」参照
左:CPTEDの4原則、右:道路や公園等の基盤整備、民有地の建築コントロール、エリアマネジメントなどを通じて防犯性の高いまちづくりを実現するための手法を紹介するデザインガイド(出典: 樋野ほか

参考文献

*1 McGinn, A. P., Evenson, K. R., Herring, A. H., Huston, S. L., & Rodriguez, D. A. (2008). The association of perceived and objectively measured crime with physical activity: a cross-sectional analysis. Journal of physical activity & health, 5(1), 117–131.
*2 樋野公宏, 石井儀光, & 渡和由. (2011). 防犯まちづくりデザインガイド--計画・設計からマネジメントまで. 建築研究資料, (134), 1-83.