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 活動したくなるまちでは、都市空間が魅力的であることが大切ですが、一つ一つの都市空間がバラバラにできるのではなく、お互いにつながりながら、続いて散策したり、歩き続けたくなるような風景の連続的なつながり(シークエンス)を感じることのできる都市空間となることも大切です。歩いたり、走ったり、回遊したりするルート上に、風景の多様性や連続性が感じられるように、異なる公共空間同士(道路・公園・河川・港湾等)でもつながりを意識することが求められます。

緑の軸線とウォーターフロントの軸線では、それぞれの異なる公共空間同士が結びつけることで、歩行者の連続的な行動を促す都市空間が創出されている
横浜市緑の軸線構想 (出典:横浜市都市整備局都市デザイン室*¹)
緑の軸線
ウォーターフロントの軸線
三ッ沢せせらぎ緑道:風景が連続しながらも、場所やエリアごとに様々なスポットに出会うことのできる、シークエンスを意識したデザインとなっている(横浜市神奈川区)
舗装サイン表示
サイン表示
連続的に続く散策路
三ッ沢せせらぎ緑道平面図 (出典:横浜市都市計画局都市デザイン室・株式会社槇総合計画事務所*²)  
左近山お散歩フェスティバルの「左近山散歩MAP」:団地の中の何気ない風景のつながりを感じ、楽しむ散歩を促す地図(横浜市旭区左近山団地)
ロンドンリージェンツ運河のフットパス:運河沿いには、かつて船を牽引した曳船道「トウパス(towpath)」が連続したフットパスが形成されており、歩行者に様々な視点場が提供されている(ロンドン)

コラム

都市景観の中のシークエンス
 地図上の街並みを一定速度でたどるように、都市空間の中で次々と順番に見えてくる連続的な視覚(風景)のつながり(serial vision)、つまり都市におけるシークエンスの重要性について、景観デザイナーのG.カレンの著書『タウンスケープ(都市の景観)』(1961)においても記されています*³。移動することで、視点場も変化し、見えてくるものの風景が変わってゆく様子が、歩きたくなる魅力を生み出します。
(出典: Thomas Gordon Cullen*³)

参考文献

*1 横浜市都市整備局都市デザイン室.「横浜の都市デザイン」.
*2 横浜市都市計画局都市デザイン室・株式会社槇総合計画事務所.(1984).「三ッ沢せせらぎ緑道(仮称)基本計画 反町川跡地整備基本計画策定調査」.
*3 Thomas Gordon Cullen. (1961). “Townscape”, Reinhold Pub.Corp.