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 高齢者が閉じこもりにならないように、身近な範囲でふと出かけたくなる居場所づくりが必要です*¹。また、社会的孤立を防止するために、他の人とコミュニケーションがとれるような場づくりが必要です。公園や公民館のように徒歩で行ける範囲の身近な居場所だけでなく、カフェや図書館、商業施設など、徒歩での移動が困難な居場所にもアクセスできるように、自転車や公共交通など、様々な交通手段でアクセスしやすい居場所づくりが求められます。

こらぼ家(新潟市):商店街の空き店舗を改修した居場所。ガラス戸とすることで、通りに面した⼟間のテーブル席が道行く人から見えやすいよう工夫している。目の前にバス停があるので、バス待ちにも用いられる

コラム

通いの場の参加で認知症リスクが3割低下
 高齢者が定期的に集いさまざまな活動を通じていきいきと暮らすための「通いの場」の取り組みが進んでいます。こうした通いの場への参加の程度が、認知症の発症を予防するかどうかを検証した研究があります*²。愛知県知多郡武豊町の高齢者約2,600人を7年間追跡し、追跡期間中の通いの場の参加が認知症の発症に影響を与えるか調査されました。結果、年に4回以上の通いの場の参加は認知症の発症リスクを0.7倍に低下させていました。町に通いの場を設置し、軽い体操、おしゃべり、すごろくなどの様々な活動に参加してもらうことが、認知症の予防に結びつくことが示されました。
追跡期間中の通いの場の参加と認知症発症の関連

参考文献

*1 樋野公宏, 石井儀光, & 米野史健. (2014). 高齢者が生き生きと暮らせるまちづくりの手引き. 建築研究資料, (159).
*2 Hikichi, H., Kondo, K., Takeda, T., & Kawachi, I. (2017). Social interaction and cognitive decline: Results of 7-years community intervention. Alzheimer's & Dementia. Translational Research & Clinical Interventions3 (1): 23-32.