公益財団法人健康・体力づくり事業財団が発行する月刊「健康づくり」の2023年度連載を、テーマ「自然に健康になれるまちづくり」として、近藤克則教授と共同で企画しました。
身体活動、社会活動、食、建造環境、こども、職域、老年期、など幅広い分野から、現状の研究の到達点や今後の展望を日頃、お世話になっている各著者にご執筆頂きました。ご執筆いただいた各先生方、誠にありがとうございました。下記に該当PDFのページリンクを掲載します。ぜひご覧下さい。(花里は全12回中4回分を執筆させていただきました)
- 2023年4月号 自然に健康になれる環境とは/近藤克則(千葉大学予防医学センター教授)
- 2023年5月号 健康都市・空間デザインの3つの環境と国際動向/花里真道(千葉大学予防医学センター准教授)
- 2023年6月号 地域診断から見えてきた運動している人が多いまち/井手一茂(千葉大学予防医学センター特任助教)・宮國康弘(日本福祉大学社会福祉学部講師)
- 2023年7月号 健康によい食を決める環境要因/谷友香子(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野講師)
- 2023年8月号 ウォーカブル(歩きやすい・歩きたくなる)なまちづくり/花里真道(千葉大学予防医学センター准教授)
- 2023年9月号 スポーツを「する」「みる」「ささえる」:環境が豊かなまちづくりで健康に/辻 大士(筑波大学体育系助教)
- 2023年10月号 子どもの身体活動を高める環境づくり/山北満哉(山梨県立大学看護学部看護関連科学領域講師)
- 2023年11月号 ウォーカブルなまちづくりの実践/花里真道(千葉大学予防医学センター准教授)
- 2023年12月号 認知症になりにくいまちづくり/竹内寛貴(千葉大学予防医学センター特任研究員)
- 2024年1月号 職域での身体活動を高める環境づくり/甲斐裕子(明治安田厚生事業団上席研究員)
- 2024年2月号 健康増進と都市計画:国内自治体の現状と展望/樋野公宏(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授)
- 2024年3月号 産官学連携コレクティブ・インパクトによる健康まちづくり/花里真道(千葉大学予防医学センター准教授)
※花里執筆の2024年3月号最終回の一部を転載
健康日本21(第三次)において、自然に健康になれる環境づくりの要点として、身体活動支援環境、食環境、受動喫煙防止環境の3つの環境が挙げられています。当面の評価はこの3つの環境で推進されることと思いますが、本連載でも触れてきましたように、健康を支援する環境は多岐にわたることを踏まえて、自治体ごとにみずからの地域の特徴、強みや弱みの診断、リソースや資源の把握などのプロセスを通じて、どのような環境に注目することがより有効なのか、検討を深めていただきたいと思います。 研究者もそうした支援ができるよう準備を整えておきたいと思います。そして、実行されるさまざまな取り組みを共有し、蓄積された知見を次なる事業に活かしていく、このような好循環が求められます。民間企業、市民・団体、行政の健康部局・都市部局、効果を検証する研究者など、多様な主体が協調するコレクティブ・インパクトにより推進される、自然に健康になれるまちづくりに期待したいと思います。