参加しているJAGESプロジェクトより、GIS解析を担当した研究プロジェクトの論文が出版されました。

Fujiwara T, Takamoto I, Amemiya A, Hanazato M, Suzuki N, Nagamine Y, Sasaki Y, Tani Y, Yazawa A, Inoue Y, Shirai K, Shobugawa Y, Kondo N, Kondo K. Is a hilly neighborhood environment associated with diabetes mellitus among older people? Results from the JAGES 2010 study. Soc Sci Med. 2017 Jun;182:45-51.

JAGESプロジェクトによるプレスリリースはこちら

  • 坂の傾斜が急である地域環境は、筋力を使うので糖尿病に良い一方で、外出や歩行時間が短くなるので糖尿病に悪い、という2つの可能性が考えられます。
  • この問題を、血液データで糖尿病を評価し調べた研究はありませんでした。
  • そこで、介護認定を受けていない65歳以上の高齢者のうち、健診データとリンクのできた8904名のデータを用い、地域ごとの傾斜角と、住民の糖尿病リスクとの関連を調べました。
  • 地域ごとの傾斜角は、地理情報システム(GIS)により、小学校区における平均の傾斜角を算出し分析しました。
  • その結果、坂の傾斜が1.48°上がると、コントロール不良の糖尿病(ヘモグロビンA1cが7.5%以上)は18%減っていました。
  • わずかな傾斜を活かすことで、糖尿病を予防するまちづくりが期待できるかもしれません。