WHO神戸センターを中心として作業がなされていた「Global Report on Urban Health 都市部の健康に関するグローバル・レポート:持続可能な開発のために、公平でより健康な都市を」が公開されています。
これは、100カ国近くの都市居住者の健康に関する新しいデータを示しており、世界保健機関(WHO)と国連人間居住計画(UN-HABITAT)が共同で初めて出版した都市部の健康に関するグローバル・レポート「隠れた都市の姿:健康格差是正を目指して」に示されたデータが更新されているものです。私たちは、キーメッセージとサポーティング・テキストを寄稿し本文書の編集に貢献しました。
レポート全文は英語ですが、エグゼクティブ・サマリが、英語、中国語、フランス語、スペイン語、日本語で用意されています。
また、様々なデータをインタラクティブに見える化した、「インタラクティブ・ウェブサイトとデータ・エクスプローラー」も公開されています。
レポートの章立ては次の通りです。
第1節 より健康な都市へのビジョン
第1章 持続可能な開発に向けた健康格差の縮小
健康格差の縮小が、あらゆる都市で健康への取り組みを進展させるために重要
第2章 都市でのユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進
都市部の貧困層の健康に関するニーズにさらなる注意を払うことがユニバーサル・ヘルス・カバレッジ推進のために重要
第3章 感染性疾患に打ち勝つための都市の利点の活用
感染性疾患との闘いにおいて都市は主導的役割を担う必要がある
第4章 非感染性疾患:都市部において新たに蔓延する疾病の克服
非感染性疾患は人々の健康に対する脅威であるだけでなく、都市に対して大きな経済的影響をもたらす
第5章 21世紀型の栄養不良への取り組み
都市が直面する、低栄養と過栄養の二重負担という前例のない課題への挑戦
第2節 人々のための都市計画
第6章 すべての人に安全な水と衛生環境を提供する
安全で持続可能な水と衛生設備へのアクセスは、世界的に大きく改善したものの、いまだに不十分であることが都市にとって緊急の課題となっている
第7章 より健康で、持続可能な都市設計
都市はより健康的な行動を可能とし、健康に関するより良い成果が得られるような形に設計・管理できる
第8章 都市における移動手段の転換
都市部の交通は、より健康で安全で持続可能なものへと転換できる
第9章 住まいにおける健康改善
特定の住宅改修、クリーンエネルギーの使用拡大、そして住宅価格の適正化は、健康で持続可能な都市部の住宅供給という世界的な挑戦への一助となる
第10章 都市の安全を確かなものに
安全性が低く、暴力事件の多い都市では、居住者の健康と地域社会に大きな損害が出る