まちづくりを計画だけに終わらず、実現に向けて動いたり、持続的・継続的な動きとしてゆくためには、どんなに小さな動きでもよいので、LQC(Lighter, Quicker, Cheaper:軽く・速く・安く)を意識して、すぐ始められることから始め、短期間の戦術的な実践を積み重ねながら、長期的な目標の実現に向かうまちづくりを行うことが大切です(タクティカル・アーバニズム)。例えば、いきなり整備や活動を行うのではなく、まずは、社会実験や試行を通して徐々に場を獲得する、1日の活動から、数か月、恒常的な活動へと徐々に活動期間を長くしてゆく方法などが考えられます。
プレイスメイキング Placemaking
26 タクティカル・アーバニズム
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車道空間を削減し、歩行者が豊かに使うことのできる(快適な通行・滞留・利活用ができる)ための場を用意する再編整備(道路空間再配分事業)が想定されている「みなと大通り及び横浜文化体育館周辺道路」(通称:みなぶん)での社会実験「みっけるみなぶん」(2020年11月)のMAP(上)と実施の様子(下)。道路空間の再配分(車道を削減し、歩行者のための空間を増やす)事業を進めるにあたり、まずはどのような使い方が可能か、機能上の課題がないかを確かめるため、約3週間に渡り社会実験を実施した。そこでは、「みなぶんでっき」と呼ばれる空間を用意して、様々な利活用の可能性が試された(横浜市中区)
KOSUGI 3E OPEN TERRACE(川崎市中原区):⼟日の二日間、数時間の社会実験を通して、ストリートの活用を試みている。すぐに撤収できるように、パレットやテープ、可動式家具などを用いて、簡易的な設えにより空間を創出している
コラム
タクティカル・アーバニズム*¹とは?
タクティカル・アーバニズムとは、これまでの長期的で大きな都市の構想や計画を描いてから進める戦略的なまちづくりとともに、長期的に都市に変化をもたらすための、短期的、低コスト、規模拡張が可能な介入を用いた、行政、民間組織、そして市民による地域づくりのためのアプローチのことであり、小さなアクションから都市に変化を促すまちづくりの進め方です。企業のスタートアップにもなぞらえて、アイデア⇒構築⇒プロジェクト⇒計測⇒データ⇒学習⇒アイデア・・・を繰り返しながら発展させてゆきます。 LQC(Lighter, Quicker, Cheaper)を念頭に、まずは、一日から実験的に始め、一か月程度の実験、そして、長期的に進めてゆくなど徐々に広げてゆくアプローチです。参考文献
*1 Lydon, & Garcia. (2015). Tactical urbanism: short-term action for long-term change. Island Press.
*2 泉山塁威.(2019).「タクティカル・アーバニズム:ゲリラ的アクションで突破口を開く」.『ストリートデザイン・マネジメント:公共空間を活用する制度・組織・プロセス』.学芸出版社.127-129
*2 泉山塁威.(2019).「タクティカル・アーバニズム:ゲリラ的アクションで突破口を開く」.『ストリートデザイン・マネジメント:公共空間を活用する制度・組織・プロセス』.学芸出版社.127-129